コーヒー抽出の方法ドリップ教室 解説  vo.1 抽出メソッド編

コーヒー抽出の方法ドリップ教室 解説  vo.1 抽出メソッド編
みなさま素敵なお家ドリップライフをお過ごしのことと思います。

さて、今回は ”ドリップ” での抽出について、ONSAYAのレシピをもとにちょっぴり深く解説していきたいと思います。
理解してるようでやっぱりよくわからない抽出をわかりやすく解説していけたらと思います。



コーヒーの“ドリップメソッド”

コーヒー抽出のメソッド|ONSAYA

結構定説的なものもあり、でも最近では定説も覆ったりと論争の多いので余計によくわからなくなってしまいますね。

店によっても色々とお客さんへのレクチャーに差があります。

結局は原因がわかれば、後は淹れる方の好みでいいのですが、でも原因がわからない・・。
そこを解決できるお手伝いができたらと思います。

では早速解説して参りましょう。


ドリップ技術だけで美味しいコーヒーになる?

まず大前提として、ドリップ技術だけでコーヒーが最高に美味しく変化することはありません!残念ですが!笑

ですが、もし今偏った抽出方法をしているのならかなり美味しくなることはあるかと思います。
抽出メソッドによって味の濃さや、傾向を調整することはできるのでお好みの味に近づけていくことができるかと思います。


【コーヒー】抽出の考え方

さてここで覚えて頂きたいことが一つ。

味の中で相反する要素として、”フレーバー”と”酸味” vs “甘さ” と“質感”があります。
酸味を主体にしようと思うと、甘さや質感、苦さが減ります。
今度は甘さ、質感を主体にしようと思うと、酸味が減ります。

つまり酸味、甘さ、いい質感が全てわかりやすくというのはなかなか難しいですね。
酸味を少し弱めて甘さが少しプラスされてきた〜みたいな。

バランスをどこで取るかということになります。

今回のメソッド編は、技術的な注ぎ方とかに入る前に、抽出の味を決める考え方の解説から入りたいと思います。
そうなんです。まず考え方を理解していないと安定した抽出を行うことができないのです。
一つずつ一つずつゆっくり理解してください!楽しんで!(笑)




コーヒー抽出の方法

コーヒー抽出の器具選定|ONSAYA

1.コーヒーの抽出器具を選定。

コーヒーの抽出器具にもさまざまな物があります。
ぜひご自身に合ったものを選んでみてください。


■HARIO. V60
円すいドリッパー。比較的酸味主体の味に仕上がりやすい。
フレーバーや酸味、軽めの味わいがお好きな方にベスト。

■KARITA WAVE
ウエーブドリッパー。甘さや質感主体の味に仕上がりやすい。
濃度感はあるが、攪拌が抑えられるので味は意外にスッキリしやすいので飲みやすい。

■MERITA
台形一つ穴ドリッパー。甘さ、質感重視で濃度が一番高い。
しっかりした味がお好みの方には良い。

■コーヒーメーカー
これは各種どのようなドリッパーの形状になっているか(上記のどれに近い?)温度がどれくらいなのか、攪拌はどう設定されているのかによります。
これから解説する内容を踏まえて設定してみてください。


*今回はドリップのみご紹介ですが、甘さやマイルドさをもっと楽しみたい方はフレンチプレスもオススメ!


2.コーヒーの抽出メソッドを決定していく。

コーヒー抽出のお湯の量|ONSAYA

ポイント1 豆の量とお湯の量の割合

まずはファーストステップとして使用する”豆の量”と”お湯の量”の割合を決めていきましょう。
このお湯というのは使用するお湯であって、出来上がりのコーヒーの量ではないことにご注意ください。

例:使用するお湯300g→出来上がりのコーヒー260g(落ちきり)

これをプロの間では”Brew Ratio”と言います。
要はどれだけのお湯にどれだけのコーヒー成分を溶け出させるのか。
”濃度”に関係してきます。

基本”Brew Ratio” 1:15

つまり300gのお湯を使って抽出する場合コーヒーの粉は20gです。
@〈1(20g):15(300cc)〉

<応用>
少し軽めにしたい場合は    1:16 豆18g:お湯288g
少し濃いめにしたい場合は 1;14 豆22g : お湯308g

ONSAYAでは分かり易いように
濃いめに仕上げたい時→ 21g:300g
軽めに仕上げたい時→ 18g:300g
と設定しています。

ここはすごく重要な項目ですので正確な分量を守りましょう♪

*老舗の喫茶店などで、なるべく多くの豆を使うよう言われることがあります(深煎りが多い)。
しかしお店はそのほかの要素(メッシュ、温度、抽出技術)でバランスを取ってるので、ご自宅で飲まれる場合は上記の範囲で設定されることをお勧めいたします。

※豆の量は濃さの好みで考えると楽ですよ♪


ポイント2 豆のメッシュ(挽きめ)

 

次にメッシュ(挽きめ)を考えます。
まず挽きめを細かくするとお湯に触れる表面積が増えます。
なので味がより明確に抽出されるようになります。
味の各要素を強く感じやすくなるので豆の持つフレーバーやさらに甘さや質感、苦さも強く感じます。
粗くすれば各要素が弱く感じるようになり、印象がマイルドになっていきます。悪くいうとボヤけた味になっていきます。

■メッシュ細かい
味が強く出る。フレーバーが強いので豆の個性を楽しむのにはいい。
反面雑な味や苦味、粉っぽさも出てくるので飲みにくくなってくる。

■メッシュ粗い
味が弱くボヤけてくる。 味がマイルドになるので飲みやすい味を求めている場合はいい。
反面印象が弱くなり粗くしすぎると水っぽい味になる。

※メッシュは味の強弱バランスで考えると楽ですよ♪


ポイント3 お湯の温度

ポイント3はお湯の温度です。お湯の温度も抽出に深く関わってきます。
最近では温度設定機能付きのドリップポットが安く購入できるようになりましたね。素晴らしいことです。
では、どのように作用するのか解説して参ります。

■お湯の温度が高い
多くの成分を抽出できるようになるので甘さや質感の向上、苦味が増えてきます。

■お湯の温度が低い
酸味主体な味に仕上がります。


収率のお話
コーヒーの成分は、溶けやすさに差があります。
まず"酸味”が溶け出しやすく、次に”甘味”、”苦味”と順番に溶け出して行きます。
温度を高くすれば、より多くの成分を溶け出すことが容易になるので、”苦味”などの成分も溶け出しやすくなります。
このコーヒーの成分(酸味→甘味→質感→苦味・雑味)をどれだけ水に移すかの率を、”収率”と言います。

収率が低い=酸味が多いコーヒー
ということです。


なので浅煎りでより甘みや複雑さを出したい場合は温度を高く、深煎りでよりマイルドな深煎りを目指すなら温度を下げると良いでしょう。
老舗の喫茶店の深煎りコーヒーは80℃くらいの温度で抽出したりします。

ONSAYAでは中間的な92℃を設定値としております。

※温度は苦味の調整で考えると楽ですよ♪


ポイント4 抽出時間

ポイントの4は抽出時間です。何分で抽出を終えるのか。

■抽出時間が長い
収率が上がるので甘味や質感向上、苦味が増えてきます。

■抽出時間が短い
収率が下がるので酸味主体の味になります。

抽出を始めて終えるまで例えば1分30秒くらいで抽出した場合はとても軽やかで酸味が主体の味になります。
ただ、味の要素が少なく奥行きのない味になりやすいです。
爽やかに飲みたかったり、豆に渋さがあったり、嫌な苦味が気になる場合などは早めのほうがいいかもしれません。

コクのある味わいや、複雑な味を求めている場合は3分くらいがいいでしょう。
3分を超える抽出になってくると苦さや雑味が出てきますから注意です。

これは豆によって持ってる成分の量や質にも関わってくるので、豆ごとに設定を変える必要があります。
豆や焙煎度によっては時間が早くなりやすい豆や、時間がかかる豆もあるので注意深く観察し、必ず時間を計るようにしましょう。
タイマーと重さが測れるHARIOのスケールが便利です。(濡らさないでね)


※抽出時間は温度と深く関係してきます。低い温度でも長い時間かければ抽出できます。要はバランスになってきますが、成分の中には高い温度帯でないと取り出せないものなどあると思われ、全く同じ味になるわけではないとは思います。水出し珈琲をイメージしてみてくださいね。

 

vo.1 コーヒーの抽出メソッド編 まとめ

コーヒー抽出のメソッドまとめ|ONSAYA

今回のメソッド編いかがだったでしょうか??
深煎り、浅煎り、それぞれの豆の個性があるのでなかなか難しいですが、まずはもっと軽くしたいなーとか、もっと濃いめにしたいなーくらいからスタートしてみてくださいね。

では次回はvo.2抽出技術編で実際にドリップ抽出の考え方と技術を解説して参ります。

では良い日常をお過ごしくださいませ♪

その他のブログを読む

真冬に聴くオススメレコードwith珈琲 vo.2 by 富永寛之 (musician)

真冬に聴くオススメレコードwith珈琲 vo.2 by 富永寛之 (musician)

デザイン作りの裏話

デザイン作りの裏話

真冬に聴くオススメレコードwith珈琲 Vo.3 by 黒門太郎

真冬に聴くオススメレコードwith珈琲 Vo.3 by 黒門太郎