ONSAYAの最新ドリップコーヒーのレシピと抽出についての濃い話(抽出論編)

ONSAYAの最新ドリップコーヒーのレシピと抽出についての濃い話(抽出論編)

「ドリップコーヒー」最新のレシピを大事なお話交えながらお伝えしようと思いますが、まあまあ濃い話になってしまうので2回に分けて語ってみたいと思います。

 
抽出について
まずドリップのレシピについて色々と昔から通説や見解が述べられてきておりますが、このやり方なら美味しいコーヒーに絶対になる!と言うものはないと考えております。コーヒーの抽出とはまず原料としての生豆の品質、そして焙煎の品質があって、初めて抽出のレシピが決まってくるものだと考えています。

なので温度は85度とか、3回に分けて淹れるのがいいとか、スピンは1度までとか、それは一部のコーヒーの品質に適合しているだけであって、それが「正しい抽出方法」なわけではないのです。

では何を持って抽出を設計し、1杯のコーヒーを美味しく作り上げていくのか?

それはまさに今から抽出する焙煎豆の”品質”によって考えるしかないのです。


濃度と収率
まず抽出する時に考える指標があります。”濃度”と”収率”です。

濃度=”コーヒーの濃さ”

抽出された 1杯のコーヒーに含まれる「コーヒーの成分の総量」を”濃度”と言います。濃度が高いとコーヒーの液体が濃いと言えます。逆に低いとコーヒーが薄いと言えるでしょう。
数値化しますと大体液体の総量の”1.2~1.4%”くらいです。残り99%近くは水です。

収率=”抽出の比率”

“収率”とはコーヒーが持っている成分(100のうち30くらいが可溶性)のうち何%の成分を水に移動することができたのかを言います。大体ですが18~21%くらいが世界的にはターゲットとなっています。

コーヒーの成分はざっくりですが酸味系から溶け出し始め、甘味系、苦味や雑味などが順に溶け出していくようです。溶解のスピードに差があります。ただ500を数える成分を含むコーヒーなのであくまでざっくりとです。

例えば収率が15%くらいだと溶け出しやすい酸味系の成分が多く、酸味主体のコーヒーになりやすい傾向にあります。収率18%~21%までいくと様々な成分を抽出しているのでより甘くコンプレックスで相対的に酸味の成分が薄れてきます。しかしあまり好ましくない成分が溶け出しやすくなるので”苦いビター”とか”イガイガする、クリーンでない雑味”とか”最後に出てくる渋み”なども抽出されます。この嫌な味が出てくるポイントが抽出において重要なポイントとなります。

例1:生豆も新鮮で品質が高く、焙煎も焦がすことなく中まで火がしっかり通っていてバッチリ→ネガティブな味があまりない綺麗なコーヒーなので収率を高く取ることが可能で甘く立体的で複雑な風味を楽しめる。

例2: 生豆の品質があまり良くない or 焙煎において中まで火が通ってない、外側が焦げているなどネガティブな要素が出ている→収率を高くするとネガティブな味が出ておいしくない→ネガティブな味が出ないところまで収率を落とす。

つまり、すごく品質が高く綺麗に焙煎された豆ほど収率を高くとることが可能で風味が何層にもなり美味しくなり、ネガティブな要素があればあるほど収率を取ることができず収率を下げる必要があると言うことです。

とても大事な指標なので覚えておいてください。でも計測するには濃度を測る濃度計が必要となりますが、なくても嫌な味が出るポイントまで収率をあげることにより調整できるかと思います。


抽出を調整する
まず抽出する時に考える指標があります。”濃度”と”収率”です。
ではどうやって濃度を上げたり、収率を下げたりするのか?
それがよく出てくる以下の抽出の要素です。

1「豆の量とお湯の量の割合」
2「挽き目・メッシュ」
3「お湯の温度」
4「抽出時間」
5「圧力や攪拌」

まず1の「割合」は豆の量を増やすとたくさんの豆から抽出するので”濃度”が上がります。しかし溶け出しやすい酸味系の成分が多く先に溶け出すことによって他の成分が移動しづらくなり収率に関しては下がる傾向にあります。(浅煎りと深煎りによって差があると思われます)
2の「挽き目」は細かくすれば”濃度”と”収率”ともに上がります。粗くすれば逆に下がります。
3の「お湯の温度」は高くなれば”濃度”と”収率”ともに上がります。
4の「抽出時間」については長くなれば”濃度”と”収率”ともに上がります。
5の「圧力や攪拌」も高ければ基本的に”濃度”と”収率”ともに上がります。

ざっくりと書きましたが抽出の要素を変化することによって抽出を調整することができるのです。

つまりたくさん成分を取り出したい(収率を上げる)のであれば「お湯の温度」が100度でもネガティブな味が出ないのなら全く問題ないし、細かく挽いても美味しいし、豆の量が少なくても美味しいのです。逆にネガティブな味があるので成分をあまり出したくない(収率を下げる)のなら「お湯の温度」が85度でネガティブな味がなくなるので85度に設定するとか豆の量を増やして豆の挽き目を粗くするなどで調整できるのです。

一番効果が大きいのは「挽き目」の調整です。「挽き目」と「豆とお湯の割合」は一緒に調整することもあります。挽き目だけだと”収率””濃度”ともに影響するので、”収率”だけ下げたい場合、「挽き目」を粗くして「豆の量」を増やせば”収率”を下げつつ”濃度”をキープすることも出来ます。


ONSAYAが考える抽出のポイント
ONSAYAが考える抽出のポイントを一言で言いますと、「ネガティブが出る直前まで収率(抽出)を最大化する」ということです。嫌な味(渋い、エグい、苦い)が出る→「挽き目」を粗くする。風味が物足らないなら「豆の量」を増やす。もしくは「お湯の温度」を下げる、「抽出時間」を短くするなどなどです。
どうでしょう?要素によって変化も色々と違うので実際に試すのが一番です。

濃度に関しては全体的に強くてしんどい時は濃度が高すぎるかと思います。逆に全体的に薄い時は濃度が低すぎるかと思います。濃度計なんてほとんどの人が持ってないと思いますので、そうかな?と考えながら調整していくと少しずつわかってくると思います。浅煎りで濃度が高いと結構しんどいですよ。
では次回はONSAYAの基本レシピを紹介していきます〜。

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